Googleドライブをファイルサーバとして使う時の注意事項 | G Suite × 情シスあるある

先日の投稿「Googleドライブはファイルサーバとして使えるか? | G Suite × 情シスあるある」から数ヶ月のトライアルの結果、ファイルサーバとして使う際の注意事項を紹介します。

結論。Googleドライブとファイルサーバは別物

早速結論から書きます。

ファイルサーバと同様の使い方をGoogleドライブに求めるべきではありません。
既存のファイルサーバはそのまま残して、Googleドライブは別の使い方をすべきです。

その理由は下記の通りです。

  • ファイルサーバからGoogleドライブに移行できないファイルがある
  • エンドユーザにはファイルサーバからGoogleドライブに移行するメリットが少ない
  • ファイルサーバ運用で育ってきた文化がGoogleドライブでは通じない

詳細は以降に記載しますが、まずは私がやったトライアルの経過から紹介します。

既存ファイルサーバを廃止してGoogleドライブに単純移行する

私にはまず「既存のファイルサーバを撤廃してコストを圧縮する」ということがミッションとして(不本意ながら)与えられてしまいました。製造業の企業なのでコストファーストなのです。

参考記事:社内SEの最もタフなタスクは社内提案。社内なのになぜ大変なのか?

よって、下記のプロセスでトライアルを行いました。

  1. 既存ファイルサーバの容量追加は行わない
  2. ファイルサーバの論理ドライブと同様にチームドライブを作成する
  3. 権限はファイルサーバと同じとし、ユーザに変更を認めない
  4. ファイルの移行は適宜ユーザ(部門)で行う

簡単にいうと、「ファイルサーバと同じ器は用意するから、ファイルの移行はよろしく」というアプローチです。

結果としてこのアプローチは失敗しました。
ユーザはGoogleドライブに全くファイルを移行せず、ファイルサーバで運用を続けました。

悩む女性

理由は前述列挙した通りですが、詳細は下記の通りです。

ファイルサーバからGoogleドライブに移行できないファイルがある

単純に器だけ作成しても、下記のようなファイルの移行にユーザは躊躇します。

  • Excelマクロなど、ファイルの格納場所を変更することでプログラム的に動作しない
  • 格納場所の変更アナウンスが面倒
  • 排他制御が動作しないと運用が困難

まず1点目は過去の遺産との戦いの典型例です。わかりやすい例では、(素人が作成した)マクロのプログラムのなかで参照するファイルパスが絶対パスで明記されている場合です。単純にパスを変更すればよいのですが、これを確認する手間が面倒なのです。

2点目はそのファイルの格納パスが部内または社内に広く認知されている場合です。モノによってはショートカットを作られていたり、社内ポータルサイトにリンクが貼られていたりして変更アナウンスが大変です。

3点目は複数ユーザで編集される頻度が多いファイルのことです。Chromeブラウザ経由では排他制御できるサービスがありますが、チームドライブでの編集では後勝ちになりますので運用上厳しくなります。

エンドユーザにはファイルサーバからGoogleドライブに移行するメリットが少ない

最大の理由はここにあったのだと思います。

ユーザにとってファイルサーバからGoogleドライブに移行するメリットは下記の通りです。

  1. スマートデバイスで参照できる
  2. (海外グループ会社含む)グローバルに共有できる
  3. ファイルサイズを気にしなくて良い

私の会社ではファイルサーバは日本本社の社内でのみ閲覧可能となっているため、社外で見れるということは大きなメリットなのですが、

社外で見たいファイルがそんなに多くない為、メール添付で十分という意識を持ってしまいます。

ファイルサイズは元々気にしていなかった、と個人的には思います。

つまりメリットは大きくない中、ファイル移行のリスクと手間というデメリットの方が大きくなってしまいました。

ファイルサーバ運用で育ってきた文化がGoogleドライブでは通じない

これはトライアル前には全く想定できないことでした。具体的には下記のような事が起きました。

  • 検索でファイルが見つかる前提になっていない
  • グローバルでのファイル共有のルールが明確になっていない
  • 権限の厳密な管理がGoogleドライブのメリットを殺す

1点目は例を交えて紹介します。
ファイルサーバで複数フォルダを切って同一ファイルを置くということがよくあると思います(例えば人事考課表.xlsを「山田」「佐藤」という個人名フォルダの下に置く)。

これが常にフォルダ階層をたどるファイルサーバなら誰のものかわかりますが、「人事考課表」と検索すると、複数人のものがズラッとならんで誰のものか簡単にわかりません。

2点目はフォルダ階層、ファイル名に日本語を使うのか英語を使うのか併記にするのかのルールや、グループ会社の権限設定の管理が明確になっていないという課題が出ました。

ルールなので整理すれば良いだけなのですが、二の足の踏んで結局メール添付で共有というルートを作ってしまったことは失敗でした。

3点目が最も想定できなかったことです。

Googleドライブの最大のメリットは「エンドユーザがでフォルダ、ファイルごとに権限を付与して簡単に共有できる」ことにあると個人的に思っています。

一方で既存のファイルサーバには、「このフォルダに格納したものは、絶対にこの部門にしか見えない」という前提(安心感)で利用されています。

ファイルサーバの代替という前提で、権限を厳密に設定しユーザでの変更を認めないと、そもそもGoogleドライブで共有する意味を失ってしまいます。

ファイルサーバと別物で考えたほうがよい理由がここにあります。

Googleドライブは”チーム”ドライブとして運用するほうがよい

チームドライブがなぜその名称にしたかが判りました。

既存のファイルサーバは情報システム部が部署ごとに論理ドライブを切ってエンドユーザーに与える”部署”ドライブなのです。

つまりGoogleドライブは既存のファイルサーバの代替としてではなく、新しいファイル共有の仕組みとしてユーザーに提供すべきです。

その時の運用は下記のとおりです。

  • チームドライブの作成権限はユーザに与え、ユーザ側の管理者に管理させる
  • 編集権限の管理等はユーザ側の管理者の管理に任せる
  • チームドライブのライフサイクルや命名規約等は最低限のガイドラインに留める

いかがでしたか?詳細なツールの使い方等は適宜この投稿にリンクを張っていきます。