Googleドライブはファイルサーバとして使えるか? | G Suite × 情シスあるある

今回は「グループウェアをクラウド(G Suite)にしてよかったこと、わるかったこと」に引き続き、G Suiteのストレージ「GoogleDrive」について紹介します。

結果を先に知りたい人は下記の参考記事へ
Googleドライブをファイルサーバとして使う時の注意事項 | G Suite × 情シスあるある

GoogleDriveとは?

まずはGoogleDriveについて簡単に説明します。

GoogleDriveはGoogleのクラウドストレージです。個人でも利用可能で、無料の範囲ではGmailと合わせて15GBまで使えます。

企業利用のG Suite(旧 Google Apps)では更に容量を使えます。

G Suitelogo

G Suiteのエディションによる違い

G Suiteは3つのエディションに分かれています。詳細な違いは左記サイトのとおりですが、ドライブに関する大きな違いは下記のとおりです。

  1. G Suite Basic…チームドライブ使用不可/容量制限あり(15GB)
  2. G Suite Business…チームドライブ使用/容量制限なし
  3. G Suite Enterprice…チームドライブ使用/容量制限なし

チームドライブについては後述しますが、本章では1のBasicを前提に記載します。

ファイルのオーナーという概念

まず、Googleドライブにはマイドライブという領域があり、1アカウントに1つ割り当てられます。Windowsのマイドキュメントと同じイメージです。

Googleドライブの基本的なファイル共有の流れは下記のとおりです。

  1. ユーザAがマイドライブにファイルを作成する(or アップロードする)
  2. ユーザAがユーザBにファイルを共有するという操作をする
  3. ユーザBに通知がされ、「共有アイテム」というフォルダに見えるようになる。
  4. (任意操作)BはAから共有されたファイルをマイドライブに保存する

ポイントはファイルを作成した人がオーナーとなり、他人のマイドライブのファイルの所有権も保持するということです。

上記の例では、BのマイドライブにAがオーナーのファイルが格納されますが、あくまで実体はAのマイドライブであり、Bのフォルダにはショートカットしかなく、Aのマイドライブからファイルを削除するとBのマイドライブからも(何の許可もなく)消えてしまうということです。

アカウント削除時のオーナー移行

上記の通りファイルが跡形もなく消えてしまうので、アカウント削除時のオーナー移行は必須です。

Googleドライブをほとんど使っていないユーザは大したことないのですが、共有しているファイルの量が多いユーザーが退職なりして、ドライブをうっかり削除すると大混乱が起きます。

ここで課題になるのが「誰のアカウントにデータを移行するか」です。
我々は試行錯誤の結果、(部ごとの)共有アカウントを移行先としました。

理由は下記の通りです。

  • 移行先のアカウントが個人の場合、退職なりで削除されることがある。
  • 移行先のアカウントが個人の場合、容量が足りない場合がある。
  • 移行先のアカウントが個人の場合、マイドライブに他人のファイルが紛れ込み、使いづらくなる

ただし共有アカウントも課金の対象となるため、移行申請があってかつ、当部に未作成の場合は共有アカウントを作成するという運用も乗っかってきました。

資料を引き継ぎする人々

階層がないという概念

さらにGoogleドライブには万人が共通して参照できる階層構造がが無いという事があります。

前出の例では、ユーザAは[マイドライブ]-[フォルダ1]-[ファイルa]をユーザBと共有したとしても、ユーザBは[マイドライブ]-[ファイルa]としか見えないのです。

これは個人的な感覚ですが、

45歳未満の人は「検索してファイルを見つける」事ができるので階層は不要ですが、45歳以上くらいから「階層をたどってファイルを見つける」事が染み付いており、親階層が単一では無いことにアレルギー反応を示します。

上記のような課題を解決するのが、チームドライブです。

チームドライブ

おさらいですが、チームドライブはG Suite Business以上でないと利用できません。

チームドライブはマイドライブと比較して下記の違いがあります。

  • オーナーは個人ではなくシステムアカウント
  • 全ての人に同一階層で見える
  • 「編集」権限を持つアカウントはファイルの削除や移動ができない
  • フォルダレベルでは他社に共有できない(ファイル個別では可)

文字だけではわかりづらいと思います。私もわかりませんでした。
感覚的にはGoogleドライブの共有の気軽さと既存のファイルサーバの完全性を両立させようと思うとこうなる、というイメージです。

では、チームドライブさえ使えばファイルサーバの代替となりうるのでしょうか?

ファイルサーバとして使えるか

先に結論を言いましょう。

まだ私にもわかりません。

分かっていることは、

ITリテラシが高い集団のみであれば使える

ということです。

なぜITリテラシが低いと使えないのでしょうか?
ITリテラシが低い人がアレルギー反応を示すポイントは下記の3点です。

  1. ブラウザ(Chrome)でのファイル操作に慣れない
  2. 排他制御が無いことが不安
  3. 権限が理解できない

以降で詳細を説明します。

単体ではエクスプローラで操作できない

言わずもがな、Googleドライブはクラウドストレージなので一般的にはブラウザでファイル操作します。

ただブラウザ上でExcelは開きませんし、ブラウザでファイル階層を下っていくのに慣れない人はかなりいます。

そんな問題を解決するのがGoogleFileStreamです。

これをインストールすると、エクスプローラ(Macの場合はFinder)でGoogleDriveのファイルが操作出来ます。

この問題はこのツールで解決するように見えますが、ITリテラシが低い人にもプログラムをインストールしないといけないという課題は残ります。

排他制御がない

ここが最もユーザが嫌がるところです。

ファイルサーバでは先にファイルを開いた人がファイルの編集権を持ち、後から編集しようとした人はサーバ上のファイルを編集できません。

Googleドライブはあくまでダウンロードとアップロードであるため、編集は後勝ちになります。

厳密には先に保存されたファイルはドライブ上でバージョン管理されているので無くなりはしませんが、ユーザにとっては現在編集している内容が知らない誰かに上書きされる可能性があることは不安でしょう。

これを解決する方法は下記の2通りです。

  1. 共同編集が恒久的に必要なものはGoolgeドライブのドキュメント形式(Googleシートなど)に移行する
  2. どうしても上書きされたくない場合は、先に名前を変更した上で編集する。(○○編集中など)

どうでしょうか?どちらもITリテラシが高くないとできませんよね?

権限が理解できない

チームドライブの権限はGoogleドライブともファイルサーバとも違います。

詳細はG Suiteヘルプを見てください。

最もしっくりこないのが、編集権限を持つ人にフォルダ/ファイルの移動/削除権限が無いことです。

例をあげて説明すると、

  • チームドライブ「情報システム部」を作成する
  • 「情報システム部」には情報システム部全員にフルアクセス権を付与する
  • 共同プロジェクトの特定ファイルを人事部に編集権限で共有する

というイメージです。

新規でファイルが作成できて編集できるのに、削除できないというのはファイルサーバに慣れた人からは理解されづらい動作です。

長文となりましたがいかがでしょうか?
私もこれからこの課題に真正面から立ち向かわないといけない立場です。

ここでベスト・プラクティスが紹介できるようになりたいと思っています。

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