社内SEの立場から業務の引継ぎ資料の意味を考える | 情シスあるある

今回は私の経験をもとに「仕事の引継ぎ」はどうあるべきかを紹介します。

やってはいけない引継ぎ方法

引き継ぎは元担当者の異動、退職、業務負荷の分散など様々な要因で発生しますが、NGな引き継ぎ方法は共通しています。それは下記の通りです。

わからなかったら聞いて。

これは一番ありがちなパターンです。
引き継ぎ資料を作らなくて良いため、元担当者が非常にラクなのです。

NGポイント

  • 新担当者が聞きたい時に元担当者が既にいない(異動したり退職したりしている)
  • 元担当者が既に業務も忘れている。

資料をみれば判るから。

これはまだマシで、引き継ぎ資料だけ作成して、対面で説明しないことです。

元担当者にとっては当たり前のことが新担当者には当たり前でない事があります。それは対面で質疑応答して資料に落とし込まないと、元担当者の独りよがりの資料になります。

NGポイント

  • 新担当者も「まぁ資料を見ればいいか」と引き継ぎのチャンスをスルーする
  • 本当に必要になった時に資料を見ると、必要な情報が載っていない
  • 元担当者も資料に載っていない業務を忘れる。

手順だけが書いてある。

資料も作成して、対面で説明しても、手順だけにフォーカスしているのはNGです。

作業の手順だけではなく、その作業をすることの目的、経緯、関連を含めて引き継ぐべきです。

NGポイント

  • 業務に変更があった時に手順にどう反映していいか分からない
  • 改善の意識がわかない
  • 改善しようとしても全体像がわからないので怖くて変更できない

私も引き継がれて無いから。

これは最悪ですね。「私も被害者なんだからあなたも被害者になってよ」という変な連帯感です。

確かに引き継ぎをされていないかもしれませんが、担当者である期間に何らかの対応は行ったはずなので、それはしっかり資料として引き継ぐべきです。

NGポイント

  • 現担当者がどこがわかっていて、どこがわかっていないのかが新担当者にはわからない
  • 本当に困ったときに、現担当者の前任者などに聞く術がなくなる
  • 負の連鎖でずっと引き継ぎが行われない

認識が合わない人たち

引継ぎ資料にはこれを書くべし

では引継ぎ資料にはどのような事を記載したらよいのでしょうか。
私は下記を必ず書いて対面で伝えるようにしています。

  1. 業務概要
  2. 業務(システム)の要件・目的
  3. 過去の担当者(他部、業者含む)
  4. 作業と手順とその意味
  5. 関連する業務(システム)
  6. 課題事項

大事なことは全体像です。全体像から手順に落とし込んで行くことを意識しています。

業務概要

箇条書きで2~5項目の範囲で「ざっくりいうとどんな業務があるか」を記載します。

例えば、システムの担当者変更であれば、下記のようにまとめるだけで全体像が見えます。

  1. システムメンテナンスの定常業務
  2. エンドユーザからのQ&A対応
  3. 保守契約の更新

業務(システム)の要件・目的

手順だけをまとめるのと、本項を含めてまとめるのはかなり差がでます。

もともとどういうことを成し遂げるためにこの業務があるのかは、なかなか新担当者は気付けません。

これを伝えることで、業務改善の対象から外れたり、クソ運用を続けなくて良くなります。

関連記事:社内SEを苦しめる「低品質システムの運用」ってどれだけクソなの?

過去の担当者(他部、業者含む)

現担当者が知らないことを、過去の担当者が知っているというのはよくある話。

現担当者が不在の場合にどこに聞けばよいか、○年前の変更についてピンポイントで確認したい時にこの情報は重宝します。

また、他部の関係者や業者(ベンダ)も過去の情報を知っている限りまとめると、トラブルの時に助けになることがあります。

資料を引き継ぎする人々

作業と手順とその意味

ここでようやく作業手順です。

ただ、大事なことは何故その作業をやる必要があるかということも含めて伝えることです。

新担当者によっては手順書が不要になったり、よりよい手順を考えたりしてくれます。

関連する業務(システム)

これを引き継がないとあとあとのトラブルの元となります。

新担当者が業務(システム)に変更を行う際に思わないところで「ひずみ」が出ます。

関連記事:社内SEの業務を乱すシステム障害は何故起きるのか?

課題事項

これは現担当者からすると書きづらいでしょう。

私はこれをやりきれなかった。と伝えるのは気分の良いものではありません。

人によっては課題を全て解決してからでないと引き継げないという責任感がある方もいますが、決してやりきる必要はないです。

課題が新担当者への宿題となり、「あなたならどう解決するか」を考えさせることは、新担当者によい刺激になります。

いかがでしたか?準備が整ったらテンプレートを公開したいと思いますのでお待ち下さい。