社内SEの最もタフなタスクは社内提案。社内なのになぜ大変なのか?

先日ざっくりまとめた社内SEの業務の詳細として、
システム企画の中でも最も大変な社内提案(稟議)について記載します。

業種や会社によってまちまち

まず最初に断っておきますが、
これから記載するのはあくまで一例で、
おそらく全業種の中でも厳しい方だと思います。

私はスピードよりもコスト低減を重視する製造業の情報システム部に所属しています

工場のイメージ

スピードを重視する業種であれば、
もっとカンタンなプロセスで済むと思いますし、
製造業でもザルなところもあれば、もっと厳しいところもあると思います。

社内提案の流れ

大まかに下記の流れで社内提案は進みます。

  1. ベンダからの見積り受領
  2. 社内提案書の作成(PowerPointで10P程度が平均)
    (費用対効果の算出含む)
  3. 部門長に上記提案書を説明し、事前承認を得る
  4. 担当役員に上記提案書を説明し、事前承認を得る
  5. 稟議システムに上記提案書と関係書類を登録し、起案(申請)する
  6. コスト管理部門に上記提案書を説明し、事前承認を得る
  7. 稟議システムで承認してくれるよう催促する
  8. 担当役員が承認する

対象とする案件の金額や関係部門の多さによっても左右されますが、

概ね社内提案には1ヶ月〜2ヶ月を要します

特に時間がかかるのが4,6,7ですが、待ちの時間が多いです。

大変なのは2,4,6になります。以下に詳細を解説します。

第1の難関:「費用対効果」の算出

製造業はおそらくどの会社もコストに敏感だと思います。
その中でも私の現在の会社はかなり厳しく、下記のポリシーがあります。

コストをかける以上は、なんらかの効果「金額」が見込めない限り、歳出を認めない

この「金額」というところがかなり大変です。

例えば、WindowsXP から Windows7に切り替える必要性を「金額」で説明する

って、ITエンジニアからするとナンセンスだと感じると思います。

でも、説明するしかないんです。ルールですから。

この場合は、XPにしていたら、ウィルスやマルウェアに感染したり、
重要なシステムが使えなくリスクが○○%あって、
それによって○○円の損失を被るため、○○円の効果がある、って説明します。

電卓

第2の難関:担当役員への説明

提案書ができて、部長OKが出ると、
金額によっては担当役員への事前説明が必要になります。

あとで稟議システムで電子ファイルで閲覧できるのに、絶対に対面で説明が必要です。

でも、説明するしかないんです。ルールですから。

何が大変なのかって、部長と担当役員のスケジュールを確保することです。
担当役員も社長からの呼び出しや急な来客でドタキャンすることがあります。
そうすると2週間先にリスケだなんて普通にあります。

大事なことはユーザ企業の経営陣にとって、IT投資への優先順位は低いということです。

また、現在の情報システム部の担当役員はITについては素人です。
担当役員は当然ながら「この投資が会社の役に立つのか」という視点で見ます。

システムがどんなアーキテクチャで出来ているとか、全く興味がありません。

ここではITの素人にも分かる説明を心がけます。

役員への説明

第3の難関:コスト管理部門への説明

正直私はここが最も苦しいです。

第1の難関で作成した「費用対効果」について審査されるわけです。

費用対効果について審査するプロから、下記をかなり入念にツッコまれます。

  • 本当に掛けなければいけないコストなのか
    (既存システムで代替したり、内製でまかなえないか)
  • コスト低減できる余地はないのか
  • 効果のロジックが正しいか
  • 効果はどこまでコミットできるのか

ただ、前述したとおり、ITの効果は金額換算できないものも多くあるため、
効果のロジックが正しいかなんて堂々と言えない案件があります。
ここでこじれて修正しろってなるとと大変です。

コストカッター

だってもう担当役員に事前承認もらっているので、修正するならもう一度やり直しです

でも、なんとかして通すしかないんです。ルールですから。

催促も大事な仕事

上記の対面の説明のウラで、稟議システムの審査・承認がまわっていきます。

ただ、事前承認が通ったからといって、システムで承認ボタンを押してくれるかというと話は別です。

担当役員も審査部門の担当者も忙しいんです。
事前説明が終わってても、1~2週間かかることはザラにあります。

ここで「電話や対面による催促」が必要になります。
(もう稟議システムは「稟議書を保管して検索できる」に特化したほうがいいと思う・・・)

担当役員がボタンを押すとようやく稟議承認です。

終わったときには、ものすごい達成感で満ち溢れます。
まだ、プロジェクトが始まってもいないのに。

いかがでしたか?
大変でしょう、社内提案。